4.商店 顔合わせミーティングのためにルンチ県を訪れた。ルンチの町は山間の寒村といった趣で、モンガルに比べるとずっと小さく、マーケット(定期市)も開かれていないような町である。いきおい、農家は農産物を販売する場所がなく、需要も限られる結果となって農業所得も低くなっている。町にはホテルと呼ばれるものはなく、例によってゲストハウスが一軒あるのみである。さらに、レストランも町に唯一「シャングリラ・レストラン」という、道路脇の斜面にへばりついたような掘っ建て小屋の「食堂」(しかも予め注文しておかないと、インスタントラーメンくらいしか食べられない)があるのみ。この日も昼食は「ワイワイ」というインスタントラーメンに「モモ」と呼ばれる餃子のみだった。それでも十分美味しいのだが・・。 食後、ブラブラと「長屋形式」の商店を見ていると、まず、とてもかわいい兄妹を発見。二人で洗濯と食器洗いをしていたのだが、これが実にかわいらしかった。カメラを向けると身を寄せてすまし顔になる。彼らの後をついて隣の商店に行った。たぶん彼らの家なのだろう。そして、その商店の名はなんと、「Sonam Samphel Norbuバー・雑貨店」だった。「Samphel Norbu」とは、私の名前の発音に似ていると、カウンターパートにもらった名前であったが、「たしかにSamphel Norbu」という人がいたのである。しかもこんな山奥の町に・・・。感激した。 「ひょっとしたら、自分の前世はブータン人で、生まれ変わって(Reincanation)日本に生まれてきたのではなかったろうか・・。そしてコンサルタントという仕事について、この町に戻ってくることが運命づけられていたのでは・・。」、そんなことをふと考えた。「とすれば、あのかわいい二人の子供は、私の子孫ということになるのか・・・。」、なぁ〜んて想像(妄想)を楽しんだひとときだった。 今度生まれ変わってくるときには、またブータンでもいいなぁ。 2002年5月1日 |
Samphel Norbuの店と子供。General Shop&Barとなっている。これはブータンではよくあるタイプの店。酒自体は許可を受けた酒屋でしか売っていないが、この手の店では「もっきり」的に酒を出している。「兄妹」と本文には書いたが、実を言うと「姉妹」だった。 高台のゲストハウスから見たルンチのゾン(軒役場兼高僧のいる寺)。左の商店街の一角にSamphel Norbuの店とシャングリラ・レストランがある。 |