ただいま出張中 


14.いいことばかりではない

 

Web日記に書いたけれど、先週の金曜日(7日)非常に腹立たしく、また気まずい思いをした。

 

ティンプーに4日に入って以来、様々な雑用に時間を取られた。車の支払い、手配、いろいろなおつきあい・・。そんな雑用の一つにUPS(停電時のバックアップ電源)の交換、または修理、というのがあった。

モンガルでは雨期に入ってひどい停電が続き、2台あるUPSのうちのひとつが初期動作不良で困っていたのだ。ティンプーに上がる機会もなく1ヶ月以上も不便を余儀なくされて、やっと今回の私の上京にあわせて交換・修理を行おうという予定だった。

しかし、UPSを購入した電気店の対応は極めて悪かった。5日から修理・交換を依頼して、「明日の午前中」、「午後」、「明日まで待って」と、女店員の言うがままに何度も足を運んだが7日(金)昼になってもできあがらないため、「一体何をしているのか」と尋ねてみれば、「ただ充電してる」だけ・・。

「充電されないから、バッテリか電源回路がおかしい」と何度も言っているのに、何にもしていない。挙げ句の果てに、「私だって忙しいんだ」と言い返されカッっときた。いつもトランプしながら客が来ても接客もしないくせに何を言うか! 強い調子で抗議すると、「本当に初期不良だったんなら、なぜすぐに電話しなかったの?」、とか言う。「Do you trust me?」(あなた、わたしのこと信頼してる?)などと訊くから、「こんなに何度も君の言うとおりに来ているのに、きちんと対応してくれないなら信頼のしようがないじゃないか!」、というと、「あんたが信頼しないなら、私だって信頼してないわよ、初期不良なんかじゃなくてあんたが使ってる間に壊したんでしょ」とか言うに至って、「売り言葉に買い言葉」状態になってしまった。

いろんなことを我慢してきた。「1週間でできる」と言われて注文したのに2ヶ月近くたってもできてこない事務机。日本にいるときから注文していて(2週間で調達可能と言われた)まだ届かない携帯電話・・。2週間前に仮契約をしたのに、さらに1ヶ月入居を待てと言うアパートのオーナー・・・。随分我慢してきたのだ。団員に不便をかけることを気にしながらも、「ブータンだから仕方ないよ・・・」、と団員と自らに言い聞かせて我慢してきた。

そんな矢先、しかも停電の多いモンガルでは欠かせない、UPSのことだけに譲ることはできなかった。結局、保証書の使える修理店に自ら出向いて、バッテリと電源回路を交換させ、修理を完了した。あのままあの店員に任せていたら、持ち帰ることはできなかった。さらに、私は部の経費管理者としての立場で、会社およびブータンプロジェクト関係者に「当該電気店との取引をしないように」、との指示メールを送った。ただし、会社費用による購入のみに限ってのこと・・。

 

それにしても、随分気まずかった。

あんな小娘相手になぜにあんなに腹を立てたか・・・。

 

会社では、すでに何年間もあの電気店から備品を購入している。その取引、信頼関係に、私自身が一瞬で幕を引いてしまった。一緒に店に行った現地コーディネータに彼女は現地語で、「この人はいままでの日本人と違う。どうして物事をこんなに難しくさせるの?」、と言っていたそうである。でも、私には、団員に「やっぱりUPS治らなかった」とは言えなかったのだ。仕事に支障が出る。買ってでも持ち帰りたかった・・。コーディネータも私の判断を指示してくれたが、その言葉は私の心には虚しく響いた。

 

 

今日、会社に以下のようなメールを打った。

かの電気店と良好な関係をもって取引をしていた部の担当者(もう一つのプロジェクトのマネージャー)に対してのメールである。

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ブータンで物事が進む(進める)のに、いかに時間と労力がかかるかは、今回イヤと 言うほど思い知らされています。
あまり強引、かつしつこいのはマズイ (次元は違うが、先日の電気店 の一件もしかり。UPSは結果的に自ら修理屋に出向き、バッテリと電源回路を交換させ修理完了したものの、電気屋の店員のお姉ちゃんとの間には修復不能な深〜い溝ができた。翌日店の前でバッタリ会って挨拶をし、少し申し訳ない気持ちになって自分用の単三電池を4本買った)ですが、キーパーソンを適度にプッシュし続けるか、多方面か ら攻めるかしないと、物事が動かないですね。

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ブータンは大好きなんだけど、いいことばかりではない・・。

2002年6月12日

   

 

 

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