15.坊さんはビキニがお好き?
Lamaは寺の住職みたいなものである。 ブータンには20の県があるが、それぞれの県にDzongと言われる建物(城)があって、そこには内務省下部組織の県事務所(知事)と裁判所(判事)と寺(Lama)が同居している。 知事、判事、Lama、この3人はいわば「三権の長」みたいなものである。 そのLamaが今月交代した。 ティンプーから新しいLamaが派遣され、これまで3年勤めたLamaがティンプーに戻る。転勤みたいなものである。 先週土曜日に新しいLamaがやってきて引継を行い、今日、旧Lamaが当地を発つまで、一週間、様々な行事が行われた。 新Lama主催の昼食会、旧Lama主催の昼食会。県主催の晩餐会、教育委員会主催の昼食会。商工会議所主催の晩餐会・・・。毎日毎日、私の住む県ゲストハウスの庭にはテントが張りっぱなしで、食事会のたびに、歌、踊り、と同じパターンの会が続いた。 Lama二人のほかに、ティンプーから会計検査の坊さんもついてきた。これもまた高僧である。 私たちは一応VIP扱いを受け、ひな壇のテントの中に招きれ入れられ、連日おなじような踊りと食事にいささか辟易とした。しかも、ゲストハウスのマネージャーがアドバイスしてくれたように、「坊さんのつくる料理は衛生的ではない」のだ。 肉は腐ったような悪臭を放ち、はえがブンブンたかっている。 現に団員の一人は強烈な下痢を経験することとなった。 一方、テントの下で坊さんとずっといるのも案外おもしろかった。 前には新旧Lamaと会計監査の坊さん、知事と判事が座っている。 坊さんも結構俗物っぽい。 我々が踊ると(というか踊らされたのだが・・)、ケラケラ笑って見ていた。 (そんなに楽しいことが少ないのか、ふんっ!) 左から、ティンプーからの会計監査員、モンガルの判事、旧Lama、そして新Lama そういえば、 ゲストハウスで私の部屋のある別棟も坊さんでいっぱいだった。 部屋でベッドに寝そべってワールドカップを見ていたら、突然ドアがあいて坊さんに部屋をのぞき込まれた。 会計監査の坊さんだった・・。 (ノックぐらいしてくれよ・・・) ある朝、遅めに部屋を出ると、部屋の前の手すりに坊さんの洗濯物が干してあった。 カーキ色のタンクトップと、パンツ・・。 しかも、そのパンツは黒の超ビキニパンツ。Tバックに近い。 (おそろしい・・。坊さんが黒のビキニパンツをはいているなんて・・・)
そんなことがあっただけに、テントの彼らの後ろで踊りを見ている間、会計監査員の坊さんが、やたらと振り返って我々の顔をジロジロと見、目と目が合うと「にやっ」っと笑うのが不気味だった。なるべく目をあわさないようにしていた。なんか、こわい・・。男だけの坊主の世界・・。昔から、「おかまととしまに好かれる男」、と言われた私である・・。いまさらそれに「坊主」が加わってほしくない・・。 禿げた会計監査の坊さんと黒のビキニパンツ・・。彼の持ち物ではなかったろうが、なんとなく妙に結びついて、背すじが寒くなった。 2002年6月22日
このページを読まれた私のコンサルとしての育ての親であり師匠でもある、インドネシア在住某プロジェクト・マネジャーより、以下のコメントをいただきました。
ところで、お坊さんのビキニパンツの話は面白かったけど、実態は違うと思いますよ。私も最近腹が出てきたのでよく分かりますが、ある程度より腹が大きくなると、腹を締めつけるようなパンツをはく気がしなくなるのです。ビキニタイプだとゴムが出腹の下にくるので腹を下から支える感じで具合がいいのです。誤解されませんように・・・・ん、わかってる? それは失礼しました・・・・!
さすが! えっ!?、ところで所長、ビキニパンツですか? 想像すると・・・・。ふ〜む。 ちなみに私は最近娘に言われて「トランクス併用」です。 ビキニは持ってませんね。 トランクスの利点は、「短パン」のフリをして、平気で外を歩けることですかね・・・。そんなわけないか・・?
2002年7月2日 | |
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