17.ジアルジアにご用心
最近、団員の健康状態が気にかかる。 お腹の調子を悪くして体重を減らす人、食欲減退者。 匿名で全5名の症状を紹介すると・・・。
農業担当I川さん。
現場に入って間もなく、「腹が張ってやたら屁が出る」と自覚症状。 宿舎では、食堂脇のトイレに入るたびに豪快な(消化)管楽器吹奏に他団員から笑われる始末。 ひどいときにはお腹を触っていると腸が「ぷくっ」とふくれあがるのがわかるくらいだとか・・。当初私は、「ここは高地で気圧が低いからお腹が張るんですよ」と取り合わなかった。
当地に長く滞在中の日本人専門家に聞くと、「あぁ、それはジアルジアっていう寄生虫ですかね、この時期多いんですよ・・」と言われ、急遽WEB検索で分析。薬フェチのI谷氏がティンプー出張の際に薬を購入持ち帰ったほか、日本からも会社のメディカル・ルームの「賞味期限切れ」の薬を送ってもらったりして加療中。副作用がキツイらしいが、快方には向かっている模様。来ブ時より体重5キロ減。
農業基盤担当N岡さん。
「鉄の胃を持つ男」と言われた在ブータン最長のN岡氏にして、先々週の「坊主交代週」の坊主主催午餐会で、不覚にも坊主メシの豚肉にあたってダウン。それ以来不調の日々が続いている。体重5キロ減。
流通担当Mりさん。
「私は何でも食いますよ」、と言っていた彼も、1ヶ月過ぎから、「いま、ちょうどつらいときです」と、食事を控えるようになった。夕食も時々宿舎で自分で作って食べているようだ。インスタント食品が多いのだろうから心配。今日もほとんど食べてなかったなぁ・・。体重はたぶん数キロ減。彼はもともと細いからなぁ・・。
農村社会経済・環境担当I谷くん
「海外に出た瞬間に3キロ痩せる」と自ら豪語(?)する若者。 彼の場合は出張が近づくと予め暴飲暴食を重ね、体重を貯金(?)している。 出張前は生涯最大体重の67キロだったらしいが、2ヶ月半後の現在58キロ。 体脂肪率は11%程度と、「骨川筋右衛門」の世界・・。 下痢と食欲減退による体重激減に「危機感」を感じた彼は、私とともに毎食工夫して食欲増進に励んでいる。海苔とインゲンの天ぷら(もどき)で「天むす」もどきを作ったり、インスタントみそ汁にご飯を入れて「ねこまんま」にしたり・・。努力している。食べる量はすごい! でも、痩せている・・。ある意味でうらやましい。でも、痩せすぎで「ゴ」は似合わない。
S部(私)
体重減1キロ程度(不満・・・。この場合「肥満」とも言う)。体脂肪率は19%程度に激減(!?) 全然痩せない。適度に下痢もしている。お腹も壊している。 でも、食欲は衰えない。そして、いつものように小食なのに、痩せない。 I君とは対照的に、私は「空気を吸っても太る男」と呼ばれている。 かつて一緒に仕事をした畜産専門家の女性に、「人間にしておくのはもったいない。明日から家畜になって!」、と言われるほど「飼養効率がいい」(食べないのに太る)のだ。 コンサルとしての限界を感じたら、私には「家畜として生きる道」がある・・。 できれば、ブータンの家畜がいいなぁ・・。絶対に殺されることがないから・・。
そんなわけで、団員の体調不良がちょっと心配な今日この頃・・。 下痢などのほかにも、ノミ・シラミの被害も非常に多い。 私自身、ノミには参っている。キンカンが手放せない。 とにかく、ここでの重病は命取り・・。 仕事の成果の出来もさることながら、些細なことに気を配って健康に、無事に仕事を終えるのが第一である。
2002年7月2日 | |
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