朝一番に事務所での打ち合わせを終え、プノンペン市内でトランスや蛍光灯など若干の仕事用品を購入し、今日の宿泊先であるシソフォンに向かったのは10時頃。シソフォンはタイ国境まで40分程度の「国境近くの村」です。プノンペンから北へ300キロ強。国道5号線をひた走ります。

途中、プルサットで昼食をとり、仕事先であるモンコルボレイに着いたのは16時半くらいでした。思いの外早く到着したのは、道路の状況がよかったのと、道が空いていたからです。

事務所に着いて早速打ち合わせを始めました・・。

その途端です・・。

「ぽろり」と前歯の仮歯がとれてしまいました・・。

ヤバっ・・・。

よりによってこんなところで・・。

出発前、先生には、

「もし、仮歯が取れても絶対に瞬間接着剤とか使わないようにね・・」、と釘を刺されていたのですが・・、さすがに前歯が欠けている状態で10日間も客商売をするわけにも行かず・・。

気もそぞろに打ち合わせを終え、シソフォンへ向かい、ホテルにチェックインして尋ねました・・。

「この村に、歯医者ない・・？」

んで、ありました。一軒だけ・・。

わらにもすがるような思いで、そして、半信半疑で案内通りに行ってみると、確かにありましたねぇ・・。看板に歯の絵がある歯医者さんが・・。

おそるおそる、中に入って見ると、若いお兄ちゃんが居ました・・。先生です・・。

診察室を覗くと・・・、おぉ、わりと近代的な施設・・・。

診察台にしっかりと背中をつけて横になることはできませんでした・・。なぜ？って、恐いからですよ・・。

ドリルなんか、ましてやかんぬきなんて絶対に使われないように注意しつつ・・、

「10日持てばいいですから・・」、と頼んでセメントでつけていただきました。

「10日じゃないよ、パーマネントだよ」、と胸を張っていましたね、歯医者さん・・。

でも、本当に助かりました。

20ドルを払い、握手をして立ち去ったのでした・・。

田舎とはいえ、なかなかたいしたものです、シソフォンの歯医者さんも・・。

2007年1月29日