ただいま出張中 

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Since April 17th, 2000 / Last Update April 1st, 2007


3.ガジュマルの木の下で・・・。

 

昨日、運転手の故郷でもあるプノンペン近郊カンダル州シムリアップ村に行ってきました。本当ならば、かつて仕事をしたタケオまで行きたかったのですが、いろいろとしなければならないこともあって、とりあえず半日で帰ってこられるところにしたのです。目的は・・・、やっぱり「現場に帰りたい」ってことでしょうか・・。特に自分は農業が専門ですから、農村部で人々の暮らしに触れることで「充電」できるような気がしています・・。

 

まずは、彼の出身校でもある小・中学校を訪ねました。

学校は休みでしたが教室の中を見ることができました。

室内はこんな感じです。

 

 

これでもグレード8(中学3年生)の教室です。自分が小学校1〜2年生の頃に使ったような長机と椅子・・。それでもこんなには「ボロ」じゃぁなかったです。ちなみに、この小学校はオーストラリアとADB(アジア開発銀行)の資金援助が入っているようでした。(だから、ボロといっているわけではありません・・)。要するに、日本に比べれば「実に粗末」な校舎だということです。日中は35℃にもなるところですが、エアコンも扇風機もありませんよ、だって、電気が来ていないのですから・・・。それに、屋根は波形亜鉛板むき出しなため、室内は輻射熱でとても暑いです・・。

 

そして、黒板には数学の授業内容がそのまま消されずに残っていました。

その内容を見て、正直ビックリしました・・。

 

 

中学3年生が、この教室で勉強している内容は、因数分解?、方程式? 正直言ってレベルが高いのに驚きました。っていうか、

「カンボジアのこの田舎で、この数学を理解し使っていく生徒がどれだけいるんだろう・・」、って不思議に思いました・・。

 

教室のなかには牛のフンが散らばって臭かったり、ゴミが掃きだめのように積まれていたり・・。教室の造りがどうのこうの、授業内容がどうのこうの、というより、もう少し基本的なことですべきことがあるようにも感じました・・。でも、ここではこれが普通? あたりまえ? でも、健康にはよくないよね・・・。

 

教室を出ると、子供たちが薪ひろいの途中で遊んでいました。そう、ここでは電気もガスもありません。調理は薪を拾って行います。薪拾いは子供たちの仕事・・・。

 

 

この子たちは小学校の低学年だそうです。屈託のない笑顔は本当にかわいらしい。

 

 

国道を挟んで学校の向かい側にある「保健センター」に行ってみました。いわゆる「Health Center」というもので、末端の保健施設ということになります。ここはJICAやNGOのワールド・ビジョン〜ユニセフなどの援助が入っていたようです。医者は常駐はしていません。でも施設は割と整っていて分娩室を備えているほか、歯科などもありました。

敷地内の大きなガジュマルの木の下では、下痢をおこした子供たちが点滴を受けていました。

 

 

点滴は5時間もかかるんだそうです・・。いくら木陰といえ、5時間はきついよね。病気になりそう・・。

 

少し離れたところにはお寺がありました。

こちらの人はやはり信心深く、お寺を大切にします。名士たちはこぞって寄進をします。

比較的新しいそのお寺の中は仏像と派手な仏教画が印象的でした・・。

 

 

柱の1本1本には、寄進者の名前が刻まれていました。

 

プノンペンから車で30分くらいのこの村は、国道3号線の街道沿いにありますが、電気は民間業者が供給する1日3時間(19〜22時)だけで、料金が高いために一般の人は利用できません。やはりここでもバッテリのレンタル業があって、みなバッテリーを利用してテレビをみたり、ラジオを聞いたりしています・・。

 

行き交う車のスピードとは裏腹に、時間はゆったりと流れているように感じました・・。

 

2007年4月8日