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3.東チモールのレストラン事情〜「食い負けるな日本人

UNTAET本部の西隣にある「ACAIT BISTRO」はオープンタイプのカフェテリアである。室内にも15席ほどあるが空いていて、多くの人が外で食べている。確かに外の方が涼しげで気持ちも良い。

初めて行った私たちは、カフェテリアで「これと、これと、これ・・・」とビュッフェタイプのステンレス・バットに盛られている料理(野菜、肉、焼きそば、焼きめし等多彩)を注文した。一緒に行ったIさんの皿は見る見るうちに「大盛り」となり、「Iさん、そんなに食べるんですか? 皿の底が見えませんよ」と私が言うと、「いや〜、あれもこれもと頼んでいたら、こんなになってしまったんですよ・・・」とテレておっしゃった。 私は焼きそばと、なすの炒め物と、鶏肉を頼んだ。「久々に残さなくて済む・・・」と、思っていた。 こちらではUNTAETやPKFの大男達が多く、食事はおしなべて量が多い。私の滞在するホテルでも、焼きそばなど、半分も食べられないくらいの量がある。「食べられないから半分にしてくれ」と言えばしてくれるが、払うのは同じ金額である。農業関連の技術者としては食べ物を粗末にしたり、「残すこと」自体に非常に抵抗があり、私としてはいつも苦々しい思いで「大盛り」料理を食べていた。

もとより私は「小食」である。見た目はがっちりした筋肉質で、よく他人に「あなたは柔道かなにかやってたんですか?」と言われるが、本当は何もしていないしそんなに食べているわけではない。以前、ジャカルタで一緒に仕事をした「畜産専門家」の女性(この方が本当に痩せているのに「よく食べる」人だった)に、「人間にしておくのは勿体ないほど飼養効率がいい」(つまり食べないのに太る、家畜としては理想的な品種)、と言われたくらいなのだ。

「よしよし、ここはいいぞ、食べられる分だけ注文しよう・・・」、と「大盛り」のIさんとレジに並んだ。 ところが、である。 なな、なんと、値段は同じ「一皿10豪ドル」なのだ。 「なに〜っ!?」     「値段は一緒なのか?」とレジの女の子に訊くと、「そうよ、もっと盛る?」と聞き返してきた。

確かに客はPKFやらCIVPOL(警察)やらの大男が多い。 (くそ〜っ、食料援助を受けている国で、「一皿なんぼ」はないだろう・・。限られた食べ物や資源は大切にしろよ・・)、と思ってみてもどうしようもないのである。

インドアの席についた。思わずIさんの皿と私の皿の写真を撮った。「どっちも10豪ドルね・・・、パシャッ」。  レジをみると、アジア系の「小でぶ」が、盛った焼きそばに親指が入るくらいの皿の会計をしている。 「あんなの一人で食べられるのか・・」と、その男の行方に目をやると・・・、な、なんとその男が座った外の席には他に飲み物だけの2人がいた・・。

どっちも10豪ドル

「くそーッ、一皿は何人で食ってもいいのかぁ!」 許されているのかどうかわからないが、外の席が混んでいる理由のひとつはそんなところにあるのかもしれない。

ディリには最近、雨後の竹の子のようにレストランができている。一方で、「高級」とされた某中華料理店は、「シェフがなまこを食べて死んで、オーナーが逃げた」ため、休業状態である。

この先、2ヶ月半、「小食の日本人」としては辛い日々となるが、「小企業(屋台等)普及を主たる活動とするNGO」とか、「資源を大切に、食べない運動ジャパン」とかいうNGOでもあったら大いに賛同し手伝いたいと思っている。

 

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