3. ホストファミリーは大家族
5月11日、ついにホストファミリー宅へ引っ越した。場所は以前私が住んでいたパキシマスというコンテナハウスのすぐ横を流れていた川を20分ほど上流へあがっていったクル・フンという地区。サクラタワーからも通り沿いに川に向かって東へ歩いてくれば、15分ほどだ。ディリの中心にあるUNTAETへも歩いて20分余りといったところだろうか。 アルベルトさんの家は川沿いの道に面した敷地を入ってすぐのところにあるが、この一帯になんと親戚20家族が固まって暮らしているという。アルベルトさんのおじいさんの代からこの土地で暮らしているそうだ。アルベルトさんが長男であるため、それら一族の家長。一応、それぞれの家族が家計も独立して暮らしている。 |
下の子3人、かわいいでしょ?
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アルベルトさんはJICAのドライバーとして、毎月200ドルちょっとの収入がある。この金額は東チモール人の平均からすると良くはないにしても、決して悪い方ではないだろう。しかし、その暮らしぶりは質素である。自家用車などはもちろんないし、子供たちの着ている服も非常に質素。何度も洗っては着ているため、うす汚れていてボロボロ。電気水道は、必要最低限整えてあるが、トイレ、風呂場、台所は離れになっており、母屋に水道はない。トイレとお風呂は予想通り典型的なマンディー。だが、ここにしばらく住んでみて気づいたが、近所でも水道があるだけ恵まれているようだ。周りの多くの家では、風呂場へも水道や井戸から水を汲んでいって使っている。また、このうちには電化製品として、テレビ、冷蔵庫、扇風機、CDプレーヤー、炊飯器などがある。また大きなパラボラアンテナを置いて、衛星放送を受信して見ている。
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これがマンディー。右の浴槽(?)に常にきれいな水が溜めてある。これを浴びて体を流す。浴槽の中に入ることはない。左奥が便器。水洗でもないし、トイレットペーパーも使わないので、バケツに溜めてある水で流す。原始的なウォシュレット。私はその都度トイレットペーパーを持参して使っているので、実はマンディー式ではどのようにおしりをきれいにするのかよく分からない。手前に見えるたらいは、お母さんがつけている洗濯物。
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それにしても、ただでさえ大家族で顔と名前を一致させるのに苦労するというのに、このうちにいると、毎日新しい顔がある。これはすぐ裏に住むアルベルトさんの兄弟やその子供たちだったり、そのほか近所の子供だったりする。それらの人々が衛星放送を見に、毎日ふらっと入ってくる。このうちに自由に出入りが許されている「身内」と呼べる人々は、総勢20名程度だろうか。 今後このうちを取り巻くこれらの人々の暮らしぶりを少しずつ紹介して行こうと思う。 5月24日アップロード |