ただいま出張中 


3.タケオ北海道人会

週末の9、10両日は、事務所のエアコン取り付け工事のために、事務所には行かずにホテルにいた。しかし、私自身は寝冷えに端を発した熱と下痢のため、仕事はせずに部屋でじっくり休みをとった。とにかく腸が「刺すように」痛いのと、下痢。熱はおさまったがとても外に出歩けるような状態ではない。もう、5キロぐらい痩せたような気もする。

食事はいつも他の団員と出かけるが、私はしばらくパス。かといって何も食べないわけに行かず、またホテルにはレストランもないことから、バナナとクラッカーを求めてフラフラと出かけた。ホテルを出て左にしばらく歩くと、粗末なお茶屋やジュースの屋台があり、通りの反対側には駄菓子屋様の商店がいくつか並んでいる。私は店並の切れるあたりまでとりあえず歩き、どんな店があるかを確かめた。そして戻りがてら買い物を始めた。最初の店でクラッカーを買った。

上半身裸、短パンの中国人系(?)のおっちゃんに、片言のクメール語で「トゥライ ポンマーン(いくら)」と訊ねると、いきなり、「日本人の方ですか?」と訊ねられた。「はい、そうです」と応えるより前に、その発音から、その人が日本人であることに驚いた。そう言っては悪いが、決して立派ではない木造の小屋のような商店。そこに日本人がいた・・。

話を聞くうちに、彼はUNTAC時代にタケオに来た自衛隊の一員であったことがわかった。当時、この地で今の奥さんと知り合い、結婚した彼は、プノンペンで観光業に従事したが、アンコールワット近くの空港開設により、プノンペンに立ち寄る観光客が激減。しかたなく、奥さんの実家のあるタケオに戻ってきたというのである。

タケオに派遣されたのは千歳を本拠地とする部隊である。「出身はどちらですか? と聞くと、北海道恵庭です」とのこと。現在タケオにいる日本人は彼一人だそうだ。何とも懐かしく、しばらく話をしていた。今回の仕事には私の会社から3名が参加している。北海道の部隊が来たこのタケオの地に、北海道のコンサルタントがやってきた。

彼曰く、「私が最初に来たときと、ここは何にもかわっていないんですよ。いろいろと援助とかは入っているようですが、ちっとも良くなってはいないみたいですね。」、とのこと。始まったばかりのこの仕事ではあるが、「しっかりと気を引き締めて取りかからなければならない」、と強く感じた。

タケオ北海道人会。わずか4名の会員だが、短い期間ではあっても、異国の地で同郷人として仲良くやっていきたいものである。

 

戻る