6.求めよ、さらば与えられん!
タケオでの暮らしも一ヶ月が過ぎ、毎晩同じレストランでの食事に「油っぽい」とか、「ニンニクが多い」とか、文句をいいながらも、キュウリとトマトのサラダ、するめ、海苔スープ、たまごやき、ビーフステーキ、など、いろいろと注文の仕方を工夫して、それなりに食事を楽しんでいる。 一方、ホテルでは、2つあったベッドを一つにし、机を買い、籐の棚を買い、抱き枕を買い、エアコンを取り付け、私はさらに「マイ冷蔵庫」を購入し、快適な暮らしを手に入れた。惜しむらくは、テレビ・・。プノンペンでは見られるNHKが、ここでは見られない。時々、タイのUBCでテレビ東京の「TVチャンピオン」や「炎のチャレンジャー」を吹き替え字幕なしの「日本語のまま」で放送しており、それが唯一の楽しみでもあった。 そして、今朝、起きがけにふと、偶然にもこの部屋で「NHKニュースを見ている夢」を見た・・・。起きてから、ふと思った。「どうしてプノンペンで見られて、タケオで見られないんだ? 他の放送はほぼ同じ内容なのに・・・。」 昼に部屋に戻ってきたときに、ホテルのお兄ちゃんに訊いた。「あのね、ここのテレビって、どうやって受信しているの?」。 するとお兄ちゃんは、「ケーブルテレビ・・・」と答えた。 「えぇ、じゃ、日本語の放送は見られないの?」 と私が訊くと、「わからん、訊いてみたら?」、との話。 食事の後で、そのケーブルテレビ配信局を訪ねた。およそテレビ局らしからぬ、「ただの豪邸」がそこにはあった。そして、その家の裏に数々のパラボラと、アンテナがある。 その敷地一角の建物内(四畳半くらいの部屋)には、スゴイ数のチューナー、デコーダ等が揃っている。さすが、電気のない農村でバッテリーを借りてテレビを見るカンボディアだけある。こんな田舎町でもケーブルテレビは人気なのだ。 早速お兄ちゃんに訊いた。
「あのさぁ、日本語のテレビは見られないの?」 「NHK(エヌ・ハー・カー)か?」 「おぉ、そうだよそれそれ、見られるの?」 「見られるよん・・」 「見せてよぉ〜、日本人10人以上いるんだから・・・」 「オッケー、いいよ、今日の夕方5時から、23チャンネル、ね・・。」 「お金はいいの?」 「いいよ、空いてるチャンネルに流すだけだから・・・」
なんと、スバラシイ! これからの一年間、NHKが見られると見られないとでは、天と地の差! はたして、夕方事務所から帰り、早速テレビをつけると、見られました、NHK。(もっとも「プレミアム」ではなくて「ワールド」だったけど・・・)
「ふとした夢から得た現実・・・」。
今晩は、今週中に仕上げなければいけない報告書の夢でも見たいものだ・・・。
「求めよ、さらば与えられん!」、は確かなのだ。 2001年3月5日 |