8.「タケオの足」
朝、宿舎の隣の行きつけの食堂でおかゆを啜りながら、通りを眺めていると、実にさまざまな交通機関を見ることができる。「徒歩」、「自転車」、「バイクタクシー」、「バイクバス」、「牛車」・・・。 乗客はといえば、市場帰りの主婦、出勤途中の女性、ヴィエトナム国境まで出かける商人など、さまざまである。以下、主だった交通機関「タケオの足」を紹介しよう。 | |
自転車。荷台の大きな自転車は「新車」で購入すると100ドル近くするらしいが、すぐにパンクする粗悪品も多い。荷台にココナッツを、ハンドルに買い物篭をぶら下げて、市場からの帰途をいそぐご婦人。猛スピードで走り抜けていった。頭巾とビーチサンダルはここでも定番の生活着の一部だ。 | |
バイクタクシー。乗ったことがないので料金はわからないが、おそらくはひと乗り200〜300リエル(6〜7円)くらいのものだろう。荷台に立派なクッションがついていてすぐにわかる。バイクは中国製の4サイクル空冷エンジンが主流。安いが壊れやすいらしい。日本のバイク(タイまたはヴィエトナムでのライセンス生産?)は高くて使えないだろう。 全面鍔の帽子もまた、ここの女性の定番ファッションである。モロッコの「タジン」の器みたいな形をしているのが多い。 | |
バイクバス。何CCなんだか知らないけれど、良くぞ引っ張れるものだと感心させられる。左の写真では客も荷物も少ないほうである。豚を5〜6頭、籠に入れて荷台後方に乗せていたり、20人くらい鈴なりになっていたり・・。高さ3メートルくらい布団を積んでいたりする場合もある。結構な長距離を走っている。ポリタンクにガソリンを詰め、直接キャブレターにつないでいるようだ。結構燃費は悪いのだろう。100〜200CCクラスのエンジンだと思うが、よく走るものだ。
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馬車。急に降りだした雷雨の中、なすすべもなくびしょぬれになって馬車を御す少年。客はとうにどこかへ行ってしまい、立ちすくんで馬を走らせる。わずか数十秒の間に頭からつま先までびしょぬれになってしまうほどの豪雨では、雨宿りなどしようとも思わないらしい。子供たちはパンツ一枚で走り回り、水溜りで遊ぶ。石鹸をとりだして身体を洗い始める輩も多い。 馬も涼しくていいのかもしれない。家路を急かされるのはつらいだろうが・・。 | |
2001年4月29日 |