15.あれ、テレビに出てるじゃん!?
70日間に亘るマスタープラン調査も無事終了した。26日(火)には水資源気象省大臣への説明も行った。団長と、私と、農業担当と・・・。大きなビデオカメラを持ったカメラマンも来ていたが、私たちは淡々と説明し、そして大臣は「いいレポートだ」と言ってくれた。 そして今日、大臣に夕食に招待された。カンボディア一番の中華料理店で、それは豪華な夕食だった。「近く日本の農林水産省副大臣(田中直紀議員)がカンボディアに来るそうで、今日、面会の約束を取り付けてきた・・」とか、「天上人」の話は私にとっては大きかった。「よろしくね・・」とも言えないし・・。でも、とにかく気さくかつ聡明な大臣で、話題も豊富で非常に魅力的な人物だ。親日家でもあり、空手、合気道の有段者で、かつ柔道、剣道にも通じている。 食事の途中、大臣がテレビをつけさせた・・。国営テレビの7時のニュースである・・。「さすが、ニュースは欠かさず見るんだなぁ・・」、と思っていると、「これは農業省の副大臣だ」とか、「これは○×州の知事で、今日は私もこのセレモニーに参加した・・」とか説明してくれた。 食事が進み10分くらいたった頃、大臣が、「これ、これだよ・・・」とテレビの方を指さした。はたしてテレビを見ると、なんと、我が調査団の団長がテレビに映っているではないか! 「あれ〜っ、これは?」、と思っていると、団長の脇でノートをとっている私も、農業担当も、みぃ〜んな延々と映っていた。 大臣は、大臣説明の模様がニュースで放映されることを知っていて、その放映日時をねらって我々を晩餐に招待し、テレビのニュースを入れさせたのである・・・。 私はおそるおそる、隣に座った国際局長に尋ねた・・。「なんて言ってるの?」、と・・。 よくあるのだ・・、「日本の調査団が、○×プロジェクトへの協力の意向を明らかにした・・・」とかいう、「政治的」広告ニュースが・・・。 結局のところ、心配には及ばなかった・・、ように感じたが・・。 聞けば、このニュースはカンボディア全国のみならず、世界120カ国のケーブルテレビに配信されているのだそうだ・・。くわばら、くわばら・・・。 それにしても・・・。 あのニュースを、電気のないタケオの調査地区で、農家がバッテリにつないだテレビで見ているんだろうと考えると背筋が寒くなった・・。 「あれ、こいつら、我々の村によく来てた日本人じゃん、やっぱり、やってくれるんだ、プロジェクト・・」、とかか思ってるんだろうな・・。 ある団員は、「もう、カラオケにも行けないんじゃないですか、有名人・・」とかも言っている。 ま、今後の教訓にしよう。しかたない・・。 明日、カンボディアを発つ。8月中旬まで、しばらく「カンボディア便り」はお休みです・・・。 2001年6月28日
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