17.新たな想いでがんばろうか・・
1ヶ月半ぶりにカンボディアに戻ってきた。12日に成田を発ち、同日プノンペン着。今回のフライトは全て順調、定刻。荷物も完璧に到着した。なんと、到着客の中でも我々が空港を出たのは早いほうだった。過去二回はいずれも「ラスト」だったのに・・・。さい先のよいスタートである。
昨日(13日)、カンボディア政府機関との協議、JICAへの報告を終え、今日買い出しのあとにタケオに移動した。とりあえず先発隊の4名。タケオに着くと、なつかしい顔、顔、顔・・。 ここであと4ヶ月過ごすのだ・・。少し気合いが入った。
同僚と昼食の際に話したことは、 @なんか、ずっとここにいたような気がする(日本に1ヶ月半いたことが嘘みたい) A日本にいる間、「また、あんなところに戻るのか、いやだなぁ・・」、と思っていたほど悪くない、ゲストハウスの自分の部屋に荷物を運び込んだときには、なぜか「ホッと」した、 ということである。
そう、ゲストハウスの女主人は我々を笑顔で迎えてくれたし、きれいなシーツと枕が二つ。エアコンもテレビもきちんとリモコンがついていて快適だ。冷たいシャワーさえ、火照った体には心地よいくらいなのだ。
夕食はいつもの「Apsara」で済ませた。3人だった。相変わらず安普請のレストランは窓ガラスもないし、蚊(というか虫)の大群とヤモリの群に悩まされるのは以前のとおりだ。 わずか1ヶ月半の間にそんなに変わるはずもないが、我がゲストハウスはペンキの塗り替え、蓮のある小池、塀などが整備され、見違えるようになったのだから、あのレストランも何とかしてほしい。我々もずいぶんと金を落としているはずなんだから・・・。
ふと気がつくと、その、ガラスのない窓の向こう側に、恐ろしくみすぼらしい女性が立っていて、店の外壁に貼ってあるポスターをはがしては「ベリっ、ベリっ」と破っている。店の者が追い払おうとするが、なかなか離れない。要は、お腹が空いていて、『私にも頂戴よ』と言いたいのだろう。いくつなのかわからないが、いわゆる「知的障害」があるのだろうか、しゃべられないのだろうか? ただ、ポスターをはがして破ることで「お腹が空いたからなんか食べさせて」と自分の気持ちを表しているかに見えた。
前回も、前々回もいなかった、その珍客に、僕らは最初はさしてとらわれることもなかったが、 「余ったご飯をあげれば毎日のようにやって来て、店も困るだろうし・・・」、 「自分たちは食べきれないほどの食事をしいるけれど、彼女は要は『はらぺこ』なんだろうな・・。腹一杯食わせてやりたいけどな・・。」 と、地面に散らばったポスターを見ながら、最後にはずいぶん気になっていた。
部屋でいま、荷物を整理をしながら聴いているCDアルバムは「ユーミン・ブランド」。今かかっている曲は、「あの日に帰りたい」。 自分が高校2年生の頃の曲だ。 (ユーミンっていくつなんだろう?)
ま、そんなことはどうでもいい・・。 今回も、新たな想いでがんばろうか・・・。 2001年8月14日 |