27.そして終章へ
2月4日(月)に成田を発ち、プノンペン入りした。 今回の10日間の渡航は、調査の締めくくり、最終報告書(案)の説明と内容に関する協議が主目的、そして後半には、技術移転ワークショップを開催する。
団員は団長と私、そして水文・水利用担当の3名。事前協議は5日に行われ、本協議も昨日6日無事終了した。関係各省からの出席者が調査について検討する「各省検討会」は今回が8回目(最後)であった。
明けて本日(7日)、午前9時より水資源気象省と日本側との間で最終議事録の調印式が行われた。カンボディア側署名者の水資源省次官からは日本国政府への謝辞が表され、調査団には労いの言葉とともに記念品が手渡された。
調査団としては、長きに亘る苦労と努力の積み重ねがひとたび認められたことに、安堵と満足の念を禁じ得ない。 しかし、ふと我に返って自分が成したこと、これから成すべき事を考えると、その道のりは、まだはるか彼方まで続いている。カンボディアでいま、灌漑農業開発を推進することの難しさは関係者周知のことなのだが、たとえ『利益追求型民間企業』の一員でも、我々海外開発コンサルタントには、開発協力を『道』とする高い志がある。そして、国民の税金を投じて行われた今般の調査結果に対する責任はもちろんのこと、調査地域の貧農、学校に行けない子供達、結核寡婦家族、カウンターパート達の協力と期待に応える努力も続けていかなければならない。 調査はまさに終わりに近づいているが、我々のプロジェクトは、また新たなスタートラインに立っている。 2002年2月7日 |