ただいま出張中 

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Since April 17th, 2000 / Last Update March 14th, 2003


3.朝の散歩

 

朝5時に起きてカーテンを開けた。

外はまだ真っ暗だった。でも、もう寝られない。

身支度を整えて外に出た。そしてひたすらにトンレサップ川に向かって歩いた。

そのうち空は白み、人々は自宅商店前に水を打ち、バイクが行き交う。

 

トンレサップ川岸にたどり着くと、ジョギングをする人、ウォーキングをする人であふれかえっていた。外国人は少ない。ほとんどが地元の人だ。

 

「活気があるなぁ・・」

人の多さではインドネシアに近いが、この「ボディ(ヘルス)・コンシャスさ」はインドネシアにはないものだと思った。

 

ま、とりあえず今朝散歩中に撮った写真を紹介しましょう。

 

トンレサップ川に上る朝陽。トンレサップはメコン川の支流。雨期には本川メコン川の水位が上がり、上流に水が流れる。

僕たち灌漑技術者にとっては、「水は上から下に流れる」という常識を覆される世界。

今日この朝陽を見て改めて思った。カンボジアは朝陽と夕陽が本当にきれいなんだということを。

悲しい歴史が夕陽の悲しさと朝陽の希望を際だたせるんだろうか・・。な〜んて。

朝陽の写真を撮っている欧米系の旅行者がいた。三脚を立てて立派な一眼レフカメラをセットしていた(左から2番目)。

 そこに集まってきた数名の「松葉杖の男たち」。彼らはポルポト時代に仕掛けられた地雷で足を失った「物乞い」である。

 そういえば子供の頃、自分の家にも腕や足を亡くした傷病兵が物乞いに来たっけ。   

 旅行者を見つけてはカネをせびりに集まってくる彼らに対して「不快感」を感じるのは事実としても、この朝陽が彼らにとってはあまりにも価値の違うものであること、それは僕らが感じる不快感とは比べようのない、動かしがたく重い現実なんだ。

 

 頭にクロマーを巻き芝生のヘリに座っている婦人。その前に置かれている白い箱状のものは「ヘルスメータ」だ。朝の川岸を歩く「ヘルス・コンシャス」な人々が行き過ぎるなか、体重を量って金を取る商売である。

 今回自分が持ってきた「体脂肪測定機能付きデジタル体重計」なら、プノンペン中から人が集まって彼女の収入もえらく上がるんだろうな・・。

 でもさ、すこし寂しかった。彼女の商売っていつまで続く? ヘルスメータなんてもう庶民にも手に届くものでしょう・・。

 

 

トンレサップ川沿いで「エアロビ」(?)に励む人々。

インドネシアのスポーツデイ(金曜日)みたい。ウォーキングよりいいかも。真剣にここにジョインしてみようかなぁなんて思った。結構楽しそうだったし・・。

わずか1時間のウォーキングだったけど、けっこう汗もかいたし運動量も多かったような感じ。

とにかくカンボジアの健康志向は本当に高いなぁ・・。いいことだと思う。

ただし、プノンペンのごく一部の恵まれた人たちの世界だけど・・。

ここにもある人力車。でもね、構造的にはインドネシアと同じだけど、サドル(こぎ位置)がとてつもなく高いのがカンボジアの特徴。三輪車だから安定はしてる。だから足は地面に届かなくてもいい。確かにそうなんだけど、こぐのもしんどそうだなぁ・・。

でも、こぐ姿勢はインドネシアよりずっといいね。背筋が伸びてるし・・。

ただ、ここプノンペンでは「バイク・タクシー」の方が普及してる。バイク・タクシーの「ホールド・アップ」強盗も多いんだけどね・・。