ただいま出張中 

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Since April 17th, 2000 / Last Update March 14th, 2003


5.水上ファミレス in Phnom Penh

 

日曜日の今日、昼食から戻ってウトウト昼寝をしていたら、フロントからの電話で起こされた。出ると、前回の開発調査の際の私のカウンターパート、水資源気象省のカロナ氏だった。プノンペンから車で北へ4時間のコンポン・トム州の現場から週末戻ってきた彼は我々を訪ねてきてくれたのだ。

 

しばらくロビーで話したあと、彼は、「ちょっと川向こうのレストランでおもてなしを・・」と誘ってくれた。

「今日は車はないんだけど・・」、というと、

「いや、プロジェクトの車で来てるから・・」、と言う。出世したものだ。

彼は34歳。まだ独身である。

まだ収入に不安があって結婚できないらしい。

そりゃそうだ。公務員とはいえ彼らの月給はわずか30ドル程度。実際生活するには400ドル近くかかるといわれている。それはすべて「アルバイト」やら、プロジェクトで支給される日当で賄わなければならないのだ。彼はいま、6年間続くプロジェクトのスタッフとして車も与えられて仕事をしているが、収入がそれほど安定しているとは言い難い。

多くの若者がそうやって結婚をためらいつつ、男女交際を続けている。たぶん、結納金も用意しなければならないのだろう・・。

 

彼の車に乗って、まずは彼のガールフレンドをピックアップした。

えらくかわいい彼女だった。

「ふ〜ん」。

 

そしてトンレ・サップ川を渡って対岸の水上レストラン街に向かった。

ここには何回か来たことがある。国道6号線の両側の湿地帯、あるいはメコン川沿いの河川敷きに作られた水上レストラン。「メコン・ロブスター」と呼ばれる手長エビやスッポンなども出している。

 

しかし、今日我々が連れて行ってもらったのは、英訳すれば「Beautiful Music」という名前の、いわばファミレスだった。ファミレスと言ってもおもしろい。

 

水上にいくつもの「オープンあずまや」(三畳程度)が作られており、その四辺には「ハンモック」がかけられている。

(カンボジアってハンモックがすごく普及してるんですね)

そこでハンモックに揺られながら家族やカップルが茹でトウモロコシやいろんなものを食べている。なんかすごい光景なんだな。トランプをしているグループもいる。

 

水上の渡り廊下の両側に作られた三畳程度の各あずまや。この四辺にはハンモックがかけられている。床には茹でトウモロコシやら食べ物、飲み物が置かれ、それぞれが床に座り、ハンモックに揺られながらおしゃべりをしたり、トランプをしたり・・。

I川さんの持っている「串もの」は、いわばかまぼこみたいなもの。薩摩揚げみたいな練り物をボール状にして竹串に刺している。これが歯ごたえ良く実に旨い。ハンモックは部屋の四辺にかけられており、ちょっと恐い。「くるん」と転がると3メートル下の水面に「ぼちょん」と落ちてしまいそうで・・。

 

私のカウンターパート、カロナ氏とその彼女。もうつきあって1年になるというのに、「彼女のトシは?」と訊いても、「はっきりわからない。訊いたことがない。でも、たぶん24歳くらいかな」、とのこと。そんなもんなのかなぁ・・。

でも、本当にかわいらしい彼女だった。

「結婚するの?」と訊いたが、「まだわからない」、とのこと。この辺には経済的な理由が大きく影響している。でも、二人の「たたずまい」を見ると、すごくいい感じだったな。大きくなって、早く幸せな家庭を築いてほしい。

 

ひとしきり飲んで食べたところで彼女がさらに追加注文をした。

「アヒルの玉子がくるから」、とカロナ氏がいうので少し待っていると、はたしてニワトリよりは少し大きめの「ゆで卵」が出てきた。

 

(うっ、これはひょっとして・・・)

 

(ここはカンボジア、となりはベトナムだ・・。ベトナムには有精卵、つまり孵化する前の玉子を茹でて食べる料理がある。これもそうかなぁ・・・)

 

と、思った通り、「ひょぇ〜〜〜」なゆで卵だった。

 

I川さんは食べました。I谷君は皮を剥いて写真だけ撮りました。

I川さんに、「どんな味ですか?」、と訊いたら、「うん、玉子だな、ビミョ〜だけど・・」とのこと。

「精が付くんだよ、精が・・」、って言われても、精をつけてもどうしようもないもんな・・。カロナ氏の彼女は、オーダーしただけあって、二つペロンと食べてたな・・。うぇ〜〜。ちょっち自分には無理。これはやっぱり文化の差だな。カロナ氏は、「日本では回転寿司に行ったけど、三皿、玉子しか食べられなかった」って言ってた。そうかぁ、似たようなもんか。このアヒルの「孵りかけ」、少なくとも「生」じゃないもんな。

 

アヒルを食べた後、カロナ氏に送られてホテルに戻った3名。お腹は結構一杯だったんだけど、「ちょっとビールくらい飲みたいね」、とホテル脇の「餃子通り」の手打ちラーメン屋で生ビールとスペアリブ、ラーメンをシェアし、ほろ酔い気分で部屋に戻った。

 

う〜ん、今日も充実した食生活を送ったな・・。プノンペンの水上ファミレス、ハンモックでアヒル。いいかも、これ。

 

 最後に記念写真。カロナ氏も彼女も顔が小さいな・・。自分は日本人としては顔が小さいと思ってたけど、でかいじゃん。

 

2003年10月19日