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Since April 17th, 2000 / Last Update March 14th, 2003


8.独立記念日前日特別ハッシュ

 

 

  インドネシアの独立記念日は8月17日です。17日は盛大なセレモニーが各地で執り行われます。ここマカッサルでも・・。そして、その前日の16日、マカッサル市の南小一時間のところにあるビリビリダム周辺を会場に、「第1209回ハッシュ」が行われました。

 

 正式名称 Hash House Harriers、略してHash(ハッシュ)というスポーツは約60年前にイギリス人の手によってマレーシアのクアラルンプールにて始められたもの。Hash(ハッシュ)というゲームは、基本的にはランニング、トレッキング(山登り) トレールランニングを主体として、その中にいわば日本の‘鬼ごっこ’のような要素を取り入れたスポーツです。

 参加者は何人でもOK。先ずはHare(ヘアー:先駆者)と呼ばれるひとが1〜2人、白い小麦粉やチョーク(私たちの場合はシュレッダーにかけた紙くず)にて道標を作りながらトレールコースを設定していきます。 ヘアー出走から9分後に、Ladies Off(女性ランナー出走)、13分後にMen Off(残った全員)が出走します。 ヘアーは約100m毎に山道にマーキングしていきながら、 その中で何カ所かCheck(チェック:分岐点)を儲け、そこから何本かの分かれ道を設定して後続のランナーを撹乱していきます。 後続のランナーは協力しあってその中から正しいルートを見つけだし、ヘアーを捕まえるべく先に進みます。 1回のハッシュの走行距離は約10km 〜 15km。所用時間は早いランナーで1〜2時間、ハイカー(歩き)で3時間〜4時間ほどです。

 

 今回の第1209回大会(毎週1〜2回開催。土曜日は必ず開催)は、我々の事務所がスポンサーかつハッシュ・マスター(コースの設定を行う)を務め、テレコムやNGOなど他のスポンサーと共にビリビリダム会場とし、生伴奏カラオケまで用意して大いに盛り上がりました。

 

  日本人6人(私、I川さん、I谷くん、S藤さん、Y寺夫妻)で宿舎を出たのは4時。5時のスタートには楽勝で間に合うはずだった、いや、確かに間に合ったんだよな。着いたのは4時50分だったから・・。でも、なんとすでにみなスタート後。ひょぇ〜。一気にやる気失せる。今日のコースは、ロングラン(10キロ以上の山坂)、ミドルラン(ダム周辺約6キロ)、パピーラン(全長1.6キロのダム上の往復)。私の場合はもう、パピーラン(しかも徒歩)に決定。Y寺夫妻は途中ショートカット(ずる)してミドルラン。遅れてきた同僚のチョイさんはしっかりミドルランを走っていきました。S藤さんは「監督」、のこりはみなパピーラン(ウォーク?)でした。

会場のビリビリダム湖。日本の円借款で造られました。総貯水量数億トンのでかいダムです。1万f以上の灌漑と、州都マカッサルの水瓶として、またマカッサル市民の憩いの場として利用されています。マカッサル市から南に車で約45分。避暑地として、日東紅茶の産地としても有名な「マリノ」に行く途中にあります。5、6年ほど前に工事現場を見に来たことがあります。そのときはまだ基礎処理をやっている最中でしたね。

パピーラン(ウォーク?)をちんたらやっている私たちを追い越していく「ミドルラン」の同僚、崔(チョイ)さん。我々の事務所でスラウェシ全域を対象とした地下水プロジェクトの地下水専門家として先月から従事されています。チョイさんは毎回ハッシュに参加しているようです。女性陣も結構まじめに走ってました。もっとも、歩いている人が多かったように思いますが・・。

 

今回の大会のために用意されたシャツ。参加費6万ルピア(800円)を払うと、飲み物(ビールなど)、このシャツ、夕食がついてきます。私も当然一着いただきました。スポンサーの名前やロゴが印刷されているほか、1209.2003という開催ナンバーが印刷されています。これは、寝間着か別のハッシュの時くらいしか着れませんね。とにかく裏も表も「派手」ですから・・。完走後、みなこのシャツを着てビールを飲んで騒ぎます。

 

後ろでは、スポンサーの一つの電話会社がプロジェクタを使って大抽選会の準備。その手前でうちの事務所のスタッフ3人がカラオケを歌っていました。左のおじさんがキーボード奏者。それにしても、インドネシアの人も「歌うこと」が好きです。結構ものおじしません。「日本人も一人歌え」と言われましたが、とてもとても・・。私は「閉ざされた部屋」でしか歌えません・・。

この日は満天の星空でした。S藤さんが教えてくれた「南十字星」。長い間海外で仕事をしてきて、ずっとみたいと思ったけど見られなかった南十字星を、ダム上から見ることができました。思ったより小さかった。(もちろん実際は矢印は入っていません。私がパソコンで書きました)。これからは誰にきかれても教えることができるかな・・。ただし、日本では見られないかな、沖縄とかに行かないと・・。

 

 

この日、Y寺夫人(日本で3人目の女性狂言師)が浴衣を持参。会場の女性達に紹介し、希望者には着せてあげました。(希望者殺到!) 私は写真係で全員の写真を撮りました。

左側は我々のボス、Harry A Clark氏とモーリー夫人。右側はインドネシアの方ですが美人なだけでなく、浴衣が本当によく似合ってました。こうやって日本文化に触れていただく機会ができたこと、Y寺夫人のお手柄でした。

 

 考えてみると、ハッシュらしい写真(走っているところ)が殆どありませんね。なぜなら・・、はい、私自身が遅れ、しかも走っていないからです。とはいえ、今回のハッシュはいつになく盛況で、延べ100近くは来ていたのではないでしょうか。日本でもやっているところもあるようですが、コースを考えるのもなかなか大変ですね。お金もかかりそう。

 ハッシュに出るたびに、「いいなぁ、毎回出ようかなぁ・・」、などと一瞬思いますが、やっぱり「釣り」のほうが性に合っているようで・・。来週もまた釣りに出かけます。

 

参加者の一部で全体写真。とにかく一旦カメラを構えると、「Photo、Photo」と、次から次へと人が集まってきて、いつまでたってもシャッターを押せません。この日は広角レンズを持っていかなかったのでこれが限界。ま、とにかく皆、愉快で楽しい人たちでした。

 

2003年8月17日