ただいま出張中 

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Since April 17th, 2000 / Last Update August 25th, 2005


1.ウィーンからマケドニアへ

今朝は3時前に目が覚めて、そのまま起きてしまった。 昨夜は9時に寝たのだから5時間は寝たことになるんだろうな・・。 明るくなったら散歩に出かけようと思っていたのだけれど、一向に明るくならない・・。明るくなったのは6時半を過ぎてから。もっとも今日のウィーンはどんよりとした曇り空だった。

それでも7時過ぎに出かけ、シュテファン寺院のまわりをぐるりとまわってドナウ運河に抜けた。シュテファン寺院はやはりでかかったなぁ・・。裏っかわにはしっかりと工事用のエレベータもついていて、朝早くから作業員が仕事をしていた。

ドナウ運河はなんとなく殺風景だったけど、思いの外流れが速いのには驚いた。運河を越えて走る路面電車は3両編成で長いんだなぁ、これが・・。それにしても、天気のせいもあってか寒々しい感じがした。

運河から西に寄って通りを曲がると、その道は王宮へのコールマルクト通りにつながっている。地図を持たずに出かけたので、自分が歩いている場所がどこなのかわからず、それがまた新鮮だった。7時半ころ、まだ随分早いのに通勤の人々が早足で通り過ぎていく。自転車で駆け抜ける人はいかにも寒そうでほっぺたは真っ赤だった。

王宮の中庭は車も走っていて、どこが道路なんだかよくわからない。とにかくだだっ広い。「東京ドーム○○杯分・・」っていう計量単位だとどのくらいになるんだろう? で、人は本当にまばら・・。自分がすれ違ったのはジョギングをしている人が1人と、犬の散歩をしているおばあさん、そして王宮の補修工事関係者1〜2人だけだった。 そして、「こんなところ入っていいの?」って思うくらい、どこでも入れるんだなぁ・・。

王宮を抜けてリンク道路に出て、左に曲がるとブルク公園がある。その美しさに惹かれついつい中に入った。落ち葉が絨毯のように敷き詰められ、大きな銀杏の木がカサカサとと揺れて、人もいず、本当に素晴らしい空間だった。なんか自分の持ち物のような、というか自分がその空間の一部のように感じられた。

ブルク公園を抜けて国立オペラ劇場の脇を通ってケルントナー通り。 ホテルに戻ったのは8時を過ぎていた。ロビー脇のレストランで朝食をとり、9時半にチェックアウトした。

迎えのツェラー氏の車で事務所に寄り、小一時間の打合せをした。少し早かったが11時過ぎには事務所を出て空港に向かった。

チェックインはスムーズで何の問題もなかった。 出国手続きをする前にすこし免税品店などを見た。ウィスキーの小瓶も買った。

ラウンジに行って驚いたのは(といってはオーストリアに失礼だが・・)、ワイアレスLAN対応だったこと。いやぁ、快適快適。そして、置いてある酒の種類が多くて、ハーブ入りポタージュスープがエラク美味しかった。思わずおかわりもしてしまった。

定刻13時45分発のスコピエ行きは出発が30分遅れた。 機材はフォッカー100。インドネシアでよく乗った機材だ。 ビジネスクラスといっても席は全く同じ。たぶん客の数によって境目は変わるんだろうな。で、エコノミーと何が違うかというと、メシと飲み物が違うみたい。

空からみるバルカン半島は・・・、いやぁ、なんとも言えない感じだった。「はげちょろけ」ではないけれど茶色の山々。かと思えばダムがあったり、高速道路があったり・・。上から見ると簡単だけど、その中に住む人々の血で肉を洗う戦いは、筆舌に尽くせないものだったのだろう。民族、宗教間の対立っていうのは有史以来ずっと繰り返されてきたものなのだ。

スコピエに着いたのは定刻の20分すぎ。 いやぁ、小さな空港だ。 ターミナルビルは現在新設中で、あと2〜3年すれば立派な空港になるのだろう。 スコピエ市街までは車で20分くらいだったろうか。 中心部のマケドニア広場近くのTCCプラザホテルにチェックインした。 ウィーンのホテルに比べたら倍くらいの広さの立派な部屋だ。

5時からホテルのロビーで安全管理のブリーフィングを受け、そのあと街の中を少し案内していただいた。マケドニア広場のカフェでお茶を飲み、ホテルまで送っていただいた。聞くところによると、スコピエでは市内中心を流れるヴァルダル川の北東側のオールドタウンにアルバニア系住民の居住区があり、結構物騒らしい。ジプシーの子供達によるひったくりなんかもあるらしい。「ジプシー」っていうのが今でもいるとは恥ずかしながら認識していなかった。

ホテルに戻って現地貨(デナル)に両替しようとしたら、フロントのお兄ちゃんに「お金がない」と言われ、近くのショッピングセンターの両替所で100ユーロを換金した。クレジットカードを使えるATMもあちこちにあるようだった。

一旦ホテルに戻ってフロントで市内電話の通話料を聞いた。インターネットへのダイヤルアップをするにも、電話代はバカにならないから・・。 するとお兄ちゃんが、「ワイヤレスLANができますよ」、と教えてくれた。 いやぁ・・、感激! いくら首都とはいえ、ここでワイヤレスLANだとは思ってもいなかったし・・・。さすがヨーロッパ。 電波は「非常に弱い」だし、また少し速度は遅いけれど十分使える。しかも「タダ」なのは嬉しい。長〜いキーコードが必要でセキュリティもしっかりしているようだ。

しばらく荷物を片づけて、8時過ぎに食事に出かけた。 「地球の歩き方」に出ているピヴニツァに行こうと思ってフロントで聞いたら、「あそこはあんまり奨めないよ」、と言われた。昼間案内していただいた、マケドニア広場近くの大きなレストランはエラク混んでいて席が空いていなかった。何でもここは外国人に人気があるそうで、その理由はウェイトレスがミニスカートをはいているからとのこと。日本人の間では「ミニスカレストラン」と呼ばれているんだとか・・。まぁ、プノンペンのピョンヤンレストランみたいなものかな・・。

で、結局入ったのはピブニツァの近くにあるレストラン。 人はあまり入っていなかったが、外がよく見えて落ち着いた感じだった。 そこでマケドニア・ワインのアレクサンダー(赤)とスパゲティを注文した。 マケドニアワインは美味で有名とのことだったが、確かに美味しかった。機内で出されるような小瓶があり、ひとりで飲むには好都合だ。スパゲティもトマトソースで美味しかったが量が多く・・・。まさにてんこもり。それでも一応全部食べた。なんか、出張に出てから太ったように思う。

スコピエ市内の夜は暗〜い。特にマケドニア広場近くは街頭も少なくもやがかかったような感じで、否応なしに異国情緒を醸し出す。通りは比較的広く、目抜き通りはウィーンのケルントナー通りを彷彿させる。マクドナルドもあるし、ディスコもあるらしい。ただ、BARは中が暗く屈強な男達が陣取っていたりスキンヘッドの輩も結構いて・・、おっかない。そんな中でまんじりともせず酒を飲んでも落ち着かないし、今日はパスした。

ホテルに戻り、明日の準備をして10時半ころにベッドに入った。夜は一層冷え込んできたが、部屋の温水暖房が効いて心地よく眠につくことことができた。

2005年11月3日