http://www.sambe.info/report.htm
Since April 17th, 2000 / Last Update August 25th, 2005
1.遠方より友来る
週末の今日、午前10時からの打ち合わせを終えて会議室から出ると、打ち合わせコーナーに彼が座っていた。
彼は、カンボジアの水資源気象省の計画・援助局長。日本で行われる入札に立ち会うために、同省の次官とともに来日し、今日はご挨拶に来ていたらしい。
その局長はまだ若いけれど、まちがいなく将来、水資源気象省を背負っていく人物だ。実に聡明で国際感覚に富んでいる。そうでありながら、カンボジアのことを常に第一に考えて主張する。ともすれば無理難題の利益誘導をごり押ししがちな役人の多い中で、彼の言うことは実に理にかなっていて、誰もが聞き入る。
「ただいま出張中」のカンボジア便りの中にこそ出てこないが、カンボジアにいる間常に彼が身近なカウンターパートだった。私が転職したことをメールで知らせたとき、彼は本当に喜んでくれた。
打ち合わせの続きがあって、ほんの少ししか話すことができなかった。
私 : 「どうして知らせてくれなかったの?」
彼 : 「いや、時間がなくて」
私 : 「いつまでいるの? どこに泊まってるの?」
彼 : 「月曜日に帰るよ。都市センターホテルに泊まってる・・」
これくらいの会話だった。
6時半に仕事をやめて京王百貨店の「デパ地下」で「とらや」の羊羹と煎茶の詰め合わせを二つ買った。きちんと熨斗(のし)もつけてもらった。女性店員は実に念入りに包装してくれた。外国人は日本の「きれいな包装」をとても喜ぶ。時には中身よりも・・。たいていの人は包装紙や結び紐を捨てはしない。
小学校の頃、新学期になって新しい教科書をもらうと、帰ってすぐにデパートの包装紙で教科書カバーを作った(いまでも作れるよ)。 トイレの紙は新聞紙だった。30年以上たった今でも、毎日サティで買い物をするたびにもらうレジ袋を捨てられず、部屋にどんどんたまってしまう。同じようなものか・・。
とらやの袋を持って、紀尾井町の都市センターホテルに向かった。8時近かったので夕食に出ているであろうことはわかっていた。フロントに包みを預け、置き手紙を書いてきた。
いま、新しい職場でなかなか海外に出る機会がなく、また出張と言えば短期間の出張に限られていて、ふと自分のしてきたことと、したいこと、できることのギャップを感じることがある。現場に張り付いて多くの住民や技術者とつきあった経験と実感を、いま、すがるような思いで自らのそばに留めておこうとしているのか。
週末は研修で来日しているベトナム水利研究所のカウンターパートにおみやげを届けに行こうと思っている。先日、職場を訪問した彼女はわざわざおみやげを持ってきてくれたのだ、ベトナムのネクタイとコーヒーを。 いま彼女は福井県の農家に体験宿泊に出かけている。彼女には会えないが、筑波の宿舎に届けておこうと思っている。 2005年9月2日 |