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Since April 17th, 2000 / Last Update March 14th, 2003
3.ベトナムのインタビューはエンドレス
昨日、ハノイ南郊のハタイ省の灌漑地区に調査に出かけました。 灌漑地区を管理する農協の組合長さんへのインタビューと、午後は農家への意識調査をしました。
ここでまたひとつ発見したベトナムの事実・・。
あのねぇ・・。ベトナムのインタビュー調査は「実に時間がかかる」ということっす。 時間がかかるって、まぁ、耐え難く時間がかかるんだなぁ・・。
農協への質問票は、せいぜい1時間半くらいを想定して用意したものなのに、たっぷり3時間かかってしまうんだょなぁ、これが・・。
何で時間がかかるのか・・。理由は以下のとおり。
全く簡単な質問なんですよ・・・。 「灌漑用水は足りていますか?不足してますか?」 この質問に答えを得るのにどうして5分も10分もかかるわけ?
よくよく聞いてみると、とにかく結論じゃなくて言い訳めいたことばかり言っているようで・・。 結局は「足りていない」んだけど、「時と場合による」、とか、「去年は足りてたけど、今年は足りないから一概には言えない」、とか、そんなことばかりを延々と説明しているようなんだな・・。
「水配分の方法を書いたマニュアルはありますか?」っていう質問もさ、「ある」、「ない」しか答えはないはずなのに、「水の多い少ないによって水配分はフレキシブルに運用する必要があるわけで・・・・・・・」、と5分くらい話し続けるわけね・・。いい加減いらだって話を制し、「あるの?ないの?」と訊くと、これまた3分くらい話し続ける。
要するに「ない」が答えなんだけど、「無いことの言い訳」を先に言うんだよね。そういう意味では日本人的で前置きが非常に長い。別に無いからと言って責めるつもりは毛頭無いわけで、こちらは事実を知りたいだけなんだけど・・・。
農協の組合長さんでもそうだから、農民となるともっと大変。 下の写真のおじさんなんか、もう大変。ベトコンのヘルメット被ってさぁ・・。竹の棒っきれ振り回して何をしゃべってんだか大演説。
インタビュワーのタインちゃんもあきれ顔・・。 「水路の維持管理作業には参加してますか?」って訊いたんだよね。 これも「イエス」か「ノー」なんだよね、基本的には・・。 試しに時間測ってみました。 そしたら、なんと7分間話したところで、タインちゃんが質問票にたった一言「No」って書いて次の質問移ろうとしたのを見て、プッツンきた。
「あのね、おじさん7分間話してんの。あなたね、こんなに時間かけて「No」のひとことはないでしょう。オジサンがいろいろと話していたことをきちんと書いて、なんでNoなのか、分析者に伝えないとインタビューの意味がないでしょう? Noと書くだけなら、1分以内に質問を終わらせないと時間のムダでしょう?」
タインちゃんには気の毒だったけど、それもまた技術移転だもんな・・。
ベトコン帽子のKhuongじいさんは60才を超えているがとっても元気。竹の棒っきれを振り回して、「突撃〜っ!」ってか? 最後の質問、「あなたは現在の暮らしに満足していますか?」に対して、「オレがもし満足してなかったら、あんたたちは一体何をしてくれるんだ?」、と逆質問。そして延々とまた演説が始まった・・。まいっちんぐ・・。
ところで、今日のインタビュー。 農協の副組合長は王監督にそっくりだった。
午後の農家へのインタビューの際、最初の回答者の隣に近所の娘が一緒にいたが、その娘は「岩崎ひろみ」にそっくりだった。
なんとも楽しいベトナムのインタビュー調査。 時間と気持に余裕のあるときにしかできませんな、こりゃ。
ハタイ省ビン・ミン農協副組合長のLienさん。王監督にそっくりでした。そして水田で出会った女の子は色白でとってもかわいくて、「ふたりっこ」の岩崎ひろみにそっくりだった。三角帽子がとってもよく似合って、帰り際には「Good by」って言ってくれたよ。学校で英語も勉強したんだな。あちらこちらで若者が農作業をしている姿もよく見られて、ベトナムの農村社会に根付いた稲作を強く感じたな・・。 2004年2月29日 |