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19.「 夢の菜園」(その4)〜Permacultureな菜園を目指して

 

函館在住の上野さんから、「ぜひ参考にしてください」、と「Permaculture」の本を紹介していただいた。Amazonドット・コムでカンボディアまで訳本と原書を取り寄せ、手にした瞬間に感動を覚えた。毎晩、寝る前にしばしその本をながめては、展示圃場と、プロジェクトの行く末に思いをはせている。

 

カウンターパートが、「池建設計画の対象農民グループのリーダーをこの展示圃場に招きたいが、企画していいか?」、と言ってきた。いつになく積極的なカウンターパートの申し出を私は一も二もなく受け入れた。

 

「ともに働くこと」、「おなじ目標を共有すること」の意義を垣間感じた。

 

「パーマカルチャー〜農的暮らしの永久デザイン」(ビル・モリソンほか著/田口恒夫・小祝慶子訳)、と、ビル・モリソン氏らが執筆した「Permaculture〜A Designers' Manual」。

挿絵が実に豊富で、展開される理論、計画、設計の全てに経験に根ざした哲学を感じさせる。

カンボディアの「じめじめした谷地」やら「虫だらけのブッシュ」、「ブタと鶏とアヒルと牛の入り交う通り」など、全てに「なるほど」と納得してしまうような、Renewable Cycleが描かれている。

圃場には石灰が撒かれ、酸性土の矯正が図られている。そして展示圃場の中央部には、「設計通り」コンポストが積まれ、着々と「夢の菜園」は現実味を帯びてきた。

 

雨は細かに配された「溝」を通じて外周のタロイモ溝に排水され、繰り返し続けられる耕起・砕土の甲斐あって、圃場の土は柔軟性を保っている。

 

 

9月18日。圃場中央部の四隅に計画通りパパイヤの苗が移植された。根が活着するまでしばらくかかるが、8ヶ月後には立派な実をつけるだろう。もっともそのころには我々は既にここにはいないのだが・・・。

雨上がりの「泥だらけの圃場」にも見えるが、野菜の苗は少しずつ移植され、のびのびと育ち始めている。特に在来品種の豆類の元気が良く、日本から持ち込んだオクラも順調に育っている。

2001年9月20日

 

 

「夢の菜園」(その1)(その2)(その 3)(その5)(その6)

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